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【2024/05/03 23:04 】 |
メガネの開発にまつわる歴史(?) その弐
 そんな具合に色々と妄想を膨らませつつ日々を送って居た所に電脳コイルと出会い、そして自分の想像力の貧困さを思い知らされる事になりました。

 誰かが言っていた事ですが、電脳コイルの素晴らしい点として拡張現実という発想とそれを現実的かつ非現実的という矛盾を抱えたままに見事に表現しきった事が挙げられます。

 先に書いたような妄想を繰り広げていた私にとって、これはまさに驚きであり、目から鱗であり、はたまた悔しかったりもしました。
 私はそれまでのSF表現でよくあったように、現実世界から遮断した上で作り出された仮想現実の世界を見せるといった類の事しか考えてなかったのです。
 私の興味はメガネというかHMDそのものにあった訳ではなかったので、思考の方向性として仕方ないといえば仕方ないのですが、それでもやはりこの発想が出来なかった事に自分の未熟さを感じてしまう訳です。

 情報としては反対側の景色を透過した上で情報も表示出来る透明状のモニターが存在する事は知っていました。また、今から思い出しますと、SF映画などでは簡単な文字情報を表示させるだけならその手のメガネやサングラスは既にベタなアイテムでもありました。
 これだけの情報が揃っていれば発想出来ても良さそうな物なのですが、実際にそれが出来るか出来ないかというのが凡人とそうで無い者の差なのでしょうか。



 現実問題として考えた時、電脳コイルでのメガネの扱われ方はウエラブルコンピューターとしてのHMDのあり方として非常に有効であるように思われます。
 HMDというのは、私も考えていたように作られた映像を見せる、ないしは通常のPCモニターの代替品とするだけでは幅広く普及するのは難しいように思えるからです。

 だってメガネを装着するという行為その物が面倒ですから。
 ついでに言うと現状のHMDでは現実の視界が遮断される為に「さあ何かやるぞ!」と何かしら意気込んで取り組む必要があるので更に面倒です。

 また最近出回り始めた3DTVも専用メガネが必要なので、そこまで普及しないんじゃないかと思ってます。
 メガネを必要としない裸眼観賞可能なモニターも開発されているようなので、これが市場に出れば3DTVの普及は加速するでしょう。
 余談ですが、任天堂の携帯ゲーム機であるDSで3Dの物が発表されましたが(もう発売されてるかな?)、これは有効視野角がかなり限定されています。また技術的にどこまで難しい事なのかは知りませんが、立体視を可能にしている部分は素人である私にも簡単に理解出来る理論で作られており、その点から考えるにここから更に発展させるにはかなりハードルがありそうなので3DTVを考える上では例外としておいた方が良いように思われます。

 もし専用メガネが必要な今の3DTVが広く普及するようであれば、ここでの論旨における考えを改める必要があるのかもしれませんが、ひとまずあまり普及しない物として扱います。
 ともあれ、HMDが一般的に普及する上ではこの面倒臭さを乗り越えるだけの何か大きなメリットも必要に思われます。


 さて、ここからHMDを考えていく上で現在発売されている現実の視界を遮断する類の物は除外し、“メガネ”のように現実の景色を透過して見れる物を念頭に置く事にします。

 既存のモニターの代替品とするだけなら、面倒を感じさせるメガネ型を使う必要はなく、これから更に発展を遂げるであろう携帯電話なりiphonなりipadなりそれに準じた何かを使えば良いわけです。
 四六時中常に使い続けるのでない限り、必要な時に取り出して使う物の方が利便性は高い様に思われます。
 次に述べる問題点もありますし、メガネが誰にでも広く普及するというのは難しい様に思われます。

 これは電脳コイルと出会ってから調べて知った事なのですが、現在の“メガネ”開発における問題点として、表示される情報に気を取られ、それが実作業の障害となるという事があるそうです。
 確かにありそうです。これが解決されない限り危なくてメガネの販売は出来ないでしょう。
 カンナが誤解された様にではなく、間違いなくメガネを原因とした本人の不注意による事故が多発するでしょう。
 電脳コイル世界では一応解決された問題なのでしょうが、そういった事故が全く無いとは言えないでしょう。

 
 さて、では電脳コイルの世界ではこの問題がどうやって解決されたか。
 これがかなり上手い事やって解決したように思われるのです。

 拡張現実として現実の空間に溶け込ませる形にし、かつそれにより多少の不便性を生じさせる事で現実世界への注意も自然に保たせる事に成功したのだと考えて居ます。

 例えば第一話でヤサコがデンスケを探す場面。
 デンスケの位置を表示するソフトの画面を開いています。立ち止まっている時は空中に浮かんでますが、ヤサコが移動すると付いて来てはくれません。その為にウィンドウを手で持って移動しています。
 これなら現実に地図を片手に歩いているのと同じです。
 地図を片手に歩くのも危険ですが、それで地図を見るのは面倒ですし危険さも自覚できます。
 また電脳コイル世界のように電脳空間が整備されているのなら、ああいった地図ではなく電脳標識を要所要所に表示させるなどの空間的な手段があっても良さそうなのですが、この世界では電脳空間は共有されているので個人の為の空間設置物は歓迎されないのだろうと思われます。
 その代わりに電脳ペットなどに道案内機能を持たせ、その後に続いて歩く、なんて事はありそうです。

 サッチーにしても管理側の物なのですし実利面で考えれば特定の形態を持つ必要も移動における制限(管理外ドメインの問題でなく単純な移動速度などの問題)もフォーマットの際の光線のエフェクトも必要ないのでしょうが、メガネを実用化する際に上記のような観点から、電脳空間上で何がしかの変化がある場合、もしくは影響力のある物は現実に則したように見える視覚的エフェクトを伴わなければならない、といった様なお約束があったんじゃ無いかと考えれば納得出来る訳です。

 続きます。
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【2010/08/04 11:54 】 | 電脳コイル考察 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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